【サスペンダー】正しい身に着け方【ベルト】
先日、和靴・勝謹製へ行って来たダイスケです、こんばんは。
シャツになることの多いこの季節、『ブライドル・レザー』でベルトを作ってもらえないかと思い、お邪魔してきました。
勝謹製へ行くのはいつも突然なんですが、店長の勝さんは、気さくに、本当にお客様の事を考えて相談に乗ってくれる素敵な職人です。
相談した結果、表革も裏革『ブライドル・レザー』でお願いすることになり、とりあえずバックルを探すことから始めようということになりました。
普段、私はもっぱらサスペンダーを愛用しています。
クリップ式でなく、ボタンで留めるクラシックなタイプなので、ズボンを穿きかえる度に、6つあるサスペンダーのボタンを付け替える手間を考えて、たまにはベルトも締めてみたくなりました。
というわけで、今回は『サスペンダーとベルトの良し悪し』について書いてみようと思います。
■最初からマニアックな話しになってしまいますが、『サスペンダー用のズボン』と『ベルト用のズボン』があるのをご存知ですか?
・ベルト用のズボン(一般的なズボン)はヒップからウエストにかけて緩やかな曲線で徐々に絞られて細くなっていき、ウエスト位置でズボンが留まるように作られています。
・一方、サスペンダー用のズボンはというと、ヒップからウエストにかけては一般的なズボンと同じですが、ウエストバンドの下の部分で一番絞れ、ウエストバンドの上にいくにしたがってがやや広がっています。
すると、ボタンを内側に付けた場合にもアタリが少なく履き心地のよいズボンが出来上がります。また、ベルト用のそれに比べ股上が深く作られているのも特徴です。
■『サスペンダー』
日本では『ズボン吊り』、英国では『ブレイシス』と呼ばれています。
サスペンダーの歴史は古く、形も
18世紀は背中が『H型』→18世紀の終わり頃に『X型』→19世紀の中頃に『Y型』
という変遷をとげています。
・サスペンダーのメリットはなんといっても、ズボンをきちんと適正な高さに保ってくれることです。
流行の股上の浅いズボンを穿いていると、最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてくると穿き心地がよくヤミツキになってしまいます。
また、ズボンの折り目(クリースライン)がとてもきれいに見えるので、足長パンツを穿かなくても足が長く見えます。
・デメリットとして挙げられるのは『肩が凝る』というのと、なで肩の人は『ベルトが肩から外れやすい』という点ではないでしょうか?
サスペンダーをした時に肩が凝る人の多くは、サスペンダーをきつく留めすぎていると思います。
コツはややゆったりとサスペンダーをつけて、『多少ズボンが上下に動く余地』のあったほうが肩が凝りません。
・また、『股上の深いズボンを選ぶ』ことや、『やや幅の広い』サスペンダーを選ぶこともポイントとなります。
なで肩でベルトが肩から外れて下がってきてしまう人は、Y型のサスペンダーの中でも『背の部分の長さも変える』ことのできるものを選ぶとよいと思います。
Yの字の2又に分かれる部分が肩に近ければ、それだけ外れることも少なくなるはずです。
私はアルバート・サーストン社のサスペンダーを使用していますが、これは3.5センチとやや幅が広く、背中にもアジャスターがあるので、大変使い勝手がよいです。
■かなりマニアックな話ですが、古い映画観ているとボタンで留めるタイプのサスペンダーを『ズボンの表』に留めたり、『ズボンの裏』に留めたりしているのを観たことがあると思います。
はたして、どちらが正しいのでしょうか?
正解は・・・個人の好みでどちらが正解などはありません!
・・・ですが、厳密に言うのであれば、『ズボンの表』に留める方がよりクラシックと言えます。
ズボンの表にボタンが付いていた時代には、常にベストを着用していたのでボタンを隠す理由がありませんでした。
しかし、時代の流れと共にベストレスに移り代わり、それと同時にボタンもズボンの裏側へと移っていったのです。
■さて、上記の内容をふまえたうえでイザ購入!という時に一番悩むのがサスペンダーの柄や色です。
『シャツの色と合わせる』べきか?それとも『ネクタイの色と合わせる』べきかで悩んでしまいます。
これは諸説紛々で私も調べてみたのですがイマイチはっきりしません。
私個人的に一番気に入った説は
サスペンダーはベストやジャケットに隠れているので(本来、人前でシャツ姿になるのはマナー違反という意味で)どんな柄だろうが色だろうが完璧に自由なアクセサリーで、個人の自由、まったく身に付ける人自身のセンス次第
といったミもフタも無い説です。
スーツはユニホームでは無いので、マナーはありますが、ルールはないと思っていますので、この説が一番しっくりくるなと感じました。
スーツの蔭からちらりと覗くサスペンダーの色柄には、そこはかとない男の色気が醸し出るのではないかと思います。
■『ベルト』
ベルトについてのは普段身に付けているアクセサリーでネット上に情報が溢れていますので改めて書くことがないのですが、コツなどを少々。
まず、押さえておくべきポイントは
・『基本的にベルトは靴の色に合わせます』
・『ベルトの穴は5つであれ7つであれ必ず真ん中の穴で留まるように調節します』
・『有名ブランドの頭文字をあしらった大型バックルはスーツには身に付けないようにします』
・『幅の広すぎたり、細すぎたりするベルトもスーツには合わないので避けるようにします』
といった点が挙げられます。
コツは、
もし、ベストの下にベルトを締める場合、ベルトのバックルを左右どちらかにずらしておけば、ベストの下からバックルが覗くことがありません。
ベルトを購入する際は、ファッションや流行を追うよりは、自分流のライフスタイルに合った、単なる道具という感覚でなく、自分の分身として愛着を持って一生付き合えるようなベルトを探すことだと思います。
いつもマニアックな話ばかりですが、チラシの裏でない、少しでも有意義な情報を発信できればいいなと思っています。
浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】は、洋服だけでなく、様々なジャンルの若い職人と意見や情報を交換し、コミュニティーをつくっていきたと思います。
テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド
2007.06.23 | Comments(0) | Trackback(1) | 服飾小物
