『ボロは着てても心は錦』では通りにくい時代になったんだなと感じたダイスケです、こんばんは。
6月23日のlivedoorニュースによると
Yahoo!知恵袋で「人は、見かけなのでしょうか?」という質問があったので、「人は見た目が何割だと思いますか?」というアンケート を当サイトで行ったところ、
7割(253票/29%)、8割(162票/18%)、 6割(140票/16%)、9割以上(137票/15%)、5割(117票/13%)、 4割(42票/5%)、3割(25票/3%)、2割(5票/1%)、 1割以下(4票/0%)(6月22日時点)
http://news.livedoor.com/article/detail/3209055/
という結果になったそうです。多くの人が7割以上外見で判断するというのは驚きです。
中には
「見た目こそ、その人がどう見られたいかをすべてあらわしている。無意識な人も含めて。だから見た目ですべて判断して良いのです。見た目10割です。」(FUZIWARAさん)
「見た目が全て。態度とか言動も含めてですが見た目と中身が違う例はかなり希有」(hnさん)
「10割。本当の内面は誰にもわからない。普通に言うところの内面は外見化されたもの。」(ケミさん)
と『見た目こそ全て』というちょっと極端な方もいらっしゃるようです。
私自身、『見た目』や『見栄え』の商売をしていますが、見た目だけで判断することはとてもできません。
・・・しかし
衣服は対人関係において『口ほどにモノを言う』ことも否定できません。
恋愛はまた別なのかもしれませんが、ビジネスに関していえば、
スーツを正しく着こなせるからといって、必ずしもビジネスや人生が成功するわけではありませんが、少なくとも、しっかりとした着こなしのできている人は、きちんとした社会人であることの証明にはなると思います。
そして、そうした人の多くは『第一印象の重要性』をよく理解されていて、外見だけで判断されないように気を使っている気がします。
西欧のことわざに
"A good face is a letter of recommendation"
というものがあります。直訳するなら
"美人ならそれだけで推薦状になる"
という意味になり、まさに今回の『人間は見た目』といった趣旨にピッタリです。しかし、ちょっと疑問が残ります。
なぜ『美人』を『beautiful woman』、男性なら『handsom』、両方の意味合いでいうのなら『good-looker』としなかったのでしょうか?
『good face』を和訳すると確かに『美人』と翻訳されますが、『美人』を英訳しても『good face』は出てきません。
今回、世界一の美女となった『森理世』さんに対するミス・ユニバースの審査基準は
水着審査で健康的な肉体、ドレス審査で着こなしと表現力、面接で内面の美しさが審査される。
「(全世界の女性が)手本とすべき女性」を探しており、審査基準は55年間変わっていないという。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070608k0000e040016000c.html
だそうです。
つまり『美人』というのは、顔や体のパーツの比率や配置の問題だけでなく、着こなしや内面の美しさも兼ね備えていなければいけません。
そうすると、『good face』をただ『美人』と訳すよりも、『清潔な身だしなみや着こなしのできる人』と訳して
"清楚な洋服は最良の紹介状"
とすればしっくりきます。
外見に対するパーセント表示はナンセンスだとして、第三者に対して不快感を与える服装よりは、爽快、清潔を感じさせる服装をして、社会人としてマイナスをこうむることのないようにしたいものです。
浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】は、同じ静岡県出身の森理世さんを応援しています。
スポンサーサイト
テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド
2007.06.27
| Comments(0) | Trackback(0) | コーヒーブレイク
先日、和靴・勝謹製へ行って来たダイスケです、こんばんは。
シャツになることの多いこの季節、『ブライドル・レザー』でベルトを作ってもらえないかと思い、お邪魔してきました。
勝謹製へ行くのはいつも突然なんですが、店長の勝さんは、気さくに、本当にお客様の事を考えて相談に乗ってくれる素敵な職人です。
相談した結果、表革も裏革『ブライドル・レザー』でお願いすることになり、とりあえずバックルを探すことから始めようということになりました。
普段、私はもっぱらサスペンダーを愛用しています。
クリップ式でなく、ボタンで留めるクラシックなタイプなので、ズボンを穿きかえる度に、6つあるサスペンダーのボタンを付け替える手間を考えて、たまにはベルトも締めてみたくなりました。
というわけで、今回は『サスペンダーとベルトの良し悪し』について書いてみようと思います。
■最初からマニアックな話しになってしまいますが、『サスペンダー用のズボン』と『ベルト用のズボン』があるのをご存知ですか?
・ベルト用のズボン(一般的なズボン)はヒップからウエストにかけて緩やかな曲線で徐々に絞られて細くなっていき、ウエスト位置でズボンが留まるように作られています。
・一方、サスペンダー用のズボンはというと、ヒップからウエストにかけては一般的なズボンと同じですが、ウエストバンドの下の部分で一番絞れ、ウエストバンドの上にいくにしたがってがやや広がっています。
すると、ボタンを内側に付けた場合にもアタリが少なく履き心地のよいズボンが出来上がります。また、ベルト用のそれに比べ股上が深く作られているのも特徴です。
■『サスペンダー』
日本では『ズボン吊り』、英国では『ブレイシス』と呼ばれています。
サスペンダーの歴史は古く、形も
18世紀は背中が『H型』→18世紀の終わり頃に『X型』→19世紀の中頃に『Y型』
という変遷をとげています。
・サスペンダーのメリットはなんといっても、ズボンをきちんと適正な高さに保ってくれることです。
流行の股上の浅いズボンを穿いていると、最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてくると穿き心地がよくヤミツキになってしまいます。
また、ズボンの折り目(クリースライン)がとてもきれいに見えるので、足長パンツを穿かなくても足が長く見えます。
・デメリットとして挙げられるのは『肩が凝る』というのと、なで肩の人は『ベルトが肩から外れやすい』という点ではないでしょうか?
サスペンダーをした時に肩が凝る人の多くは、サスペンダーをきつく留めすぎていると思います。
コツはややゆったりとサスペンダーをつけて、『多少ズボンが上下に動く余地』のあったほうが肩が凝りません。
・また、『股上の深いズボンを選ぶ』ことや、『やや幅の広い』サスペンダーを選ぶこともポイントとなります。
なで肩でベルトが肩から外れて下がってきてしまう人は、Y型のサスペンダーの中でも『背の部分の長さも変える』ことのできるものを選ぶとよいと思います。
Yの字の2又に分かれる部分が肩に近ければ、それだけ外れることも少なくなるはずです。
私はアルバート・サーストン社のサスペンダーを使用していますが、これは3.5センチとやや幅が広く、背中にもアジャスターがあるので、大変使い勝手がよいです。
■かなりマニアックな話ですが、古い映画観ているとボタンで留めるタイプのサスペンダーを『ズボンの表』に留めたり、『ズボンの裏』に留めたりしているのを観たことがあると思います。
はたして、どちらが正しいのでしょうか?
正解は・・・個人の好みでどちらが正解などはありません!
・・・ですが、厳密に言うのであれば、『ズボンの表』に留める方がよりクラシックと言えます。
ズボンの表にボタンが付いていた時代には、常にベストを着用していたのでボタンを隠す理由がありませんでした。
しかし、時代の流れと共にベストレスに移り代わり、それと同時にボタンもズボンの裏側へと移っていったのです。
■さて、上記の内容をふまえたうえでイザ購入!という時に一番悩むのがサスペンダーの柄や色です。
『シャツの色と合わせる』べきか?それとも『ネクタイの色と合わせる』べきかで悩んでしまいます。
これは諸説紛々で私も調べてみたのですがイマイチはっきりしません。
私個人的に一番気に入った説は
サスペンダーはベストやジャケットに隠れているので(本来、人前でシャツ姿になるのはマナー違反という意味で)どんな柄だろうが色だろうが完璧に自由なアクセサリーで、個人の自由、まったく身に付ける人自身のセンス次第
といったミもフタも無い説です。
スーツはユニホームでは無いので、マナーはありますが、ルールはないと思っていますので、この説が一番しっくりくるなと感じました。
スーツの蔭からちらりと覗くサスペンダーの色柄には、そこはかとない男の色気が醸し出るのではないかと思います。
■『ベルト』
ベルトについてのは普段身に付けているアクセサリーでネット上に情報が溢れていますので改めて書くことがないのですが、コツなどを少々。
まず、押さえておくべきポイントは
・『基本的にベルトは靴の色に合わせます』
・『ベルトの穴は5つであれ7つであれ必ず真ん中の穴で留まるように調節します』
・『有名ブランドの頭文字をあしらった大型バックルはスーツには身に付けないようにします』
・『幅の広すぎたり、細すぎたりするベルトもスーツには合わないので避けるようにします』
といった点が挙げられます。
コツは、
もし、ベストの下にベルトを締める場合、ベルトのバックルを左右どちらかにずらしておけば、ベストの下からバックルが覗くことがありません。
ベルトを購入する際は、ファッションや流行を追うよりは、自分流のライフスタイルに合った、単なる道具という感覚でなく、自分の分身として愛着を持って一生付き合えるようなベルトを探すことだと思います。
いつもマニアックな話ばかりですが、チラシの裏でない、少しでも有意義な情報を発信できればいいなと思っています。
浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】は、洋服だけでなく、様々なジャンルの若い職人と意見や情報を交換し、コミュニティーをつくっていきたと思います。
テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド
2007.06.23
| Comments(0) | Trackback(1) | 服飾小物
先程、ギルド・オブ・クラフツの山口千尋氏が講演する『ギルドによる靴の講座』へ行って来たダイスケです、こんにちは。
正しい靴の手入れをするだけで、ここまで革の表情が違ってくるという事にとても感心しました。
山口氏の話の中で印象的なのが、「靴は履いてこその靴であってシワもまた靴に表情を与えます。沢山履いて、丁寧にメンテナンスをするべき」(意訳)といった内容でした。
名靴世界ランキング(03'メンズEX)で1位、2位を独占する程の素敵な靴を仕立てることができるのに、芸術家としてではなく、やはり職人なんだなと感じました。畑は違えど、同じ職人である私も、日々精進して素敵な洋服を仕立てていきたいと思います。
それでは昨日に引き続き『よいネクタイの選び方』を書きたいと思います。
■『ネクタイの着こなしと流行』についての購入ポイントです。
『父の日』にネクタイをプレゼントをされる方も多いと思います。その一方で、もちろんネクタイをプレゼントされてうれしいが、「女性が選んだネクタイは絶対に締めない」と断言する、なんとも贅沢な殿方もいます。
確かにネクタイを締める人の琴線に触れるものが、そうザラにあるわけでもなく、いい加減に選ばれるぐらいなら・・・という気持ちもわからなくもないですが・・・やはり贅沢な悩みですね。
プレゼントとして貰って嬉しいが、なぜ締めるのを躊躇うのかと言えば、女性は普段ネクタイを締める機会がなく、多くの女性がネクタイを買う場合、それを手に取り、美しいネクタイを選び出そうとするからだと思います。
するとネクタイだけを見れば確かに美しいが、ワイシャツを着て、スーツを羽織った中に置くと、美しいネクタイだけが妙に目立ってしまう・・・といったケースが原因ではないでしょうか?
■ネクタイは『他の服装とのバランス』が何よりも大切で、そのバランスを考えた時、ネクタイをひとつの色の塊として眺めてみます。
ネクタイの色や柄、素材の組み合わせは無数にありますが、色の塊として見るなら、大きく3種類に分けることができます。
柄などを無視して、全体を大づかみに眺めた場合、『淡い色なのか(淡色)』、『濃い色なのか(濃色)』、『中間の濃度なのか(中色)』の3種類です。
そして、スーツも同様の方法で分類した時
・『淡色のスーツ×淡色のネクタイ』はメリハリがつかず、ぼやけた印象になり、合わせにくいです。
・逆に『淡色のスーツ×濃色のネクタイ』や、『濃色のスーツ×淡色のネクタイ』は、たとえ同系色や無地同士であっても、間の抜けた感じにならず、よく合います。
・また、『中色のスーツ×濃色のネクタイ』、『淡色のスーツに中色のネクタイ』なども、よほど柄や配色に失敗しな限りバランスのとれた組み合わせとなります。
そのポイントを抑えて購入するだけで、せっかくプレゼントしたネクタイが箪笥の肥やしとなる事が少なくなると思います。
■次に、普段ネクタイを締めているビジネスマンですらあまり留意しないが大切なポイントがあります。
それは『ネクタイの長さ』です。
ワイシャツを購入する為に自分の首回りと袖丈のサイズを知っている人はいると思いますが、ネクタイを購入する場合、柄や色に注意しますが、サイズについては案外無関心な人が多いと思います。
自分の所有しているネクタイの長さをすぐに答えられる人はそうそういないのではないでしょうか?
『ネクタイの長さ』に注目して購入する為には、まず『正しいネクタイの締め方』を知らなければなりません。
ネクタイの締め方にはシングルノット、ダブルノット、ハーフ・ウィンザーノットetc・・・色々な結び方がありますが、どの締め方にせよ、ネクタイの大剣の逆三角形が、ちょうどベルトの上にかぶさる長さにします。
これは、ジャケットを脱いだときのバランスを考慮した結果です。更に言えば、垂れた大剣と小剣の差を1cm以内に留める事ができれば理想的です。
上記の『正しいネクタイの締め方』を考えれば、おのずと自分の『理想的なネクタイの長さ』を決定することができます。
数字で表すとしたら、
『カラーの付け根からベルトすれすれまでの長さ』×2 + 『首回りの実寸』 + 『ノットを結ぶ為に必要な長さ』(シングルノットなら約11cm、ダブルノットなら約22cm) + 『ネクタイの素材や締める強弱による若干の余裕』 1cm
といった計算式になります。
現在、日本で売られているネクタイの多くが138cm~142cmと言われています。
海外のブランドのネクタイだと146cm前後が多いのではないでしょうか?
上記の計算式を厳密にしないにしても、ネクタイを購入する際には、平均身長よりも低ければ140cmあたりで、高ければ海外のネクタイを選ぶといった目安になると思います。
■最後に、私自身はまだまだ若輩者で、ブランドのネクタイを粋に着こなす程の人生経験が足らないので、将来身に付けてみたいと思うネクタイのブランドを紹介します。
・Dominique France(ドミニク・フランス)
『ネクタイのなかのネクタイ』と呼ばれる程、フランスでもっとも贅沢なネクタイの1つ。
リヨンで織らせた目の詰んだヘビーシルクを使い、入念な縫製で仕上げたネクタイは締め心地がよく、ほどよい重さを感じさせます。
この重さがネクタイを安定させ、『朝締めたら夜まで締め直す必要がない』といわしめています。
・Hermes(エルメス)
エルメスを象徴するものとして革製品が挙げられますが、その他にも上質なシルクのスカーフも定評があります。
『エレガンスの代名詞』といわれるエルメスならではのネクタイは、洗練された色、柄、独特のシルクの感触だけではなく、芯地や断ち方、折り目も計算に入れた贅沢な生地どりによるソフトな締め具合にも定評があります。
・Richard Atkinson(リチャード・アトキンソン)
レジメンタル・ストライプのネクタイを2世紀にもわたって作り続けているネクタイ専門の会社。
創業以来変わらない『アイリッシュ・ポプリン』といわれる独特の織り方の生地を使っています。
『アイリッシュ・ポプリン』は縦糸にシルク、横糸にウールを使って交互に織り合わせた生地で、シルクのみを使ったネクタイに比べ、落ち着いた自然な色とやわらかい手触りがあります。
ただ、シルクとウールは縮率が違いますので雨などの湿気によるヨレに注意が必要です。
・Stefano Ricci(ステファノ・リッチ)
ステファノ・リッチは伝統の職人芸を後世に残す為に結成された『クラシコ・イタリア』の初代会長。
『幻のネクタイ』といわれた『プリーツ・タイ』を20余年かけて研究し、機械化した人物で、ステファノ・リッチの『プリーツ・タイ』は『ネクタイをした芸術品』とまで評価されています。
『プリーツ・タイ』の最大の特徴は、立体感と動きによる変化で、プリーツのわずかなふくらみ残しつつ芯地を入れ合わせ縫うことは職人技ならではです。
※プリーツではない、普通のネクタイを仕立ててみたことがありますが、本当に高度な縫製技術を必要とします。
浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】は、2日間にかけて『よいネクタイの選び方』を書いてみました。
幅約8cm、長さ約140cmの決められた形のネクタイにも、様々な技術や歴史、マナーがあり、またそれを必要としている人がいます。
Cool Bizだからと手放すよりも、紳士の矜持として、やせ我慢だとしても身につけたら素敵だなと感じます。・・・いやっ、ホント暑いんですけどね!!
テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド
2007.06.17
| Comments(0) | Trackback(0) | 服飾小物
今週末の『父の日』に定番の品『ネクタイ』を贈ることができなくて悩んでいるダイスケです、こんにちは。
親父とは同じ仕事場で働いているので、お店にある服飾小物をプレゼントするわけにもいかないし、今年もウィスキーにしようかしらん??
Cool Bizも今年で3年目となり、街中にも半袖シャツやノーネクタイのビジネスマンも見受けられるようになりました。
街中でビジネスマンを眺めていると、 Cool Bizもだいぶ定着してきた感はありますが、それぞれの会社の方針によって、スタイルも様々、まだまだ迷走中のようです。
襟高カラーにターンナップカフスのイタリアンシャツを着ている人もいれば、営業マンでお客様に失礼を欠かないように、ネクタイは締めなければいけないが、かといって時代の流れも取り入れなければという考えで、半袖シャツにネクタイ姿のビジネスマンも見受けられます。
私個人的には、このままの迷走中でいいと思います。
地球温暖化問題を掲げることは私達の子孫の為にも必要不可欠なことで、是非とも成功させて欲しい一大プロジェクトです。
しかし、国がビジネスマンのスタイルを提案しなければならない程、日本のビジネスマンも野暮ったくないと思います。
来店される方の多くは、お会いするお客様に失礼だと思えば、例え暑くてもスーツを着てネクタイを締めていますし、その代わり、お客様にも暑苦しく見えないように、素材や色味には十分注意して着こなしています。
麻の混じったシャツやモヘアのスーツなら、着ている本人も汗でベタつかないし見た目もシャリ感が出て、実に爽やかな印象を与えています。
・・・と、まぁCool Bizに対してダンディズムといった観点から色々と思うことがありますが、さて、前置きが長くなりましたが、今回は『よいネクタイの選び方』について書いてみようと思います。
巷には、先ほど書いたネクタイを必要とするビジネスマンの為のCool Biz用のネクタイも売られているようです。
ネクタイにも色々と種類があり、一般的なネクタイ(フォア・イン・ハンド)、蝶ネクタイ(ボウタイ)、アスコットタイ、ループタイ、リボンタイetc・・・用途に応じて様々です。
素材もシルク、ウール、ニット、麻混などありますが、今回は一般的なシルクのネクタイに絞って『ネクタイの選び方』を書きます。
■まず、『ネクタイは引っ張ってから買え』とよく言われます。(あまり露骨にやると店員が嫌がると思いますが・・・)
2つ折りにしたタイの両端を左右の手で軽く引っ張ると、布地がよじれる場合があります。
これは布地が正バイアス(縦と横の織り糸に対して45度斜めに裁断した生地)ではない証拠です。
正バイアスでない場合、結び目がゆるみやすかったり、型崩れの原因となります。
■次に『ネクタイは裏を見てから買え』とも言われています。
ネクタイの細くなった方の端を『小剣』、太い方の端を『大剣』と呼びますが、大剣のちょうど真後ろの、裏地部分のさらに上の方にそっと指を入れると、数センチの長さの1本の糸を見つけることがあります。
これは『ボァン・ダレ』と呼ばれ、ネクタイの表地と芯地を縫い合わせた縫い糸のあそびで、手で縫われた高級品である証拠です。
ネクタイを結ぶ際に、表地や芯地が伸縮する余裕をあそび糸が果たしてくれています。
また、ゆるんできたネクタイは、この糸を引っ張ることで再び引き締めることができます。中級品の場合はミシンで縫われているので、このあそび糸がありません。
■3つ目は以外に知られていない『ネクタイは重さで買え』という点です。
ネクタイの素材の多くはシルクで作られており、シルクは目で見た感じより、持って重いものが上質な絹を使っています。
絹糸は大きく2つに分けることができ、『錫増量糸』とそうでない普通の絹糸です。
『錫増量』はチン・ウェーティングとも呼び、絹糸の表面にごく薄い錫(スズ)の被膜をあしらう加工法で、この加工法により、深い光沢としっとりとした手触りが加わり、結びやすくシワになりにくい絹地が生まれます。
上記の3つのポイントを押さえて購入した上質なネクタイだとしても、ネクタイは結んでは解き、解いては結ぶものです。当然、結び目にシワが出ます。では、シワが気になるときにはどうするべきか?
直接アイロンをかけることは禁物です。また、クリーニングに出すこともお勧めしません。
上質なネクタイには間違いなくエレガントなふくらみ(厚み)があり、そのふくらみがネクタイの一番の魅力であり、生命線です。
アイロンでそのふくらみを押しつぶしてしまえば、ネクタイとしての優雅さが消えて無くなってしまいます。
上質なシルクは上質なウール同様、自然に復元する力を持っています。
保管する時は丸めず、掛けるようにして2、3日吊るしておけば大概のシワは消えます。
それでも消えないシワにはスチームアイロンを用いて直接的な熱や圧力をかけずに十分に蒸気を当ててやれば、頑固なシワでも解決すると思います。後は自然乾燥して蒸気を完璧に抜けば完了です。
次にネクタイの着こなしと流行についての購入のポイントですが、長くなりそうなので2回に分けて書きたいと思います。
浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】は温暖化問題には賛成ですが、Cool Bizは微妙です。出来ることなら『かりゆしウェア』にスラックスと革靴といったスタイルでの国際舞台は避けて欲しいと願っています。
テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド
2007.06.16
| Comments(2) | Trackback(0) | 服飾小物
« | HOME |
»