男のたしなみ服装術【テーラー新屋】 映画

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【映画】『オーシャンズ13』 ~イタリアとイギリスのスーツ~

昨晩『オーシャンズ13』を観てきたダイスケです、こんばんは。


オーシャンズ13』は、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットにマット・デイモンをはじめ、ハリウッドのトップスターが勢ぞろいした、映画史上希に見る豪華なキャスティングで、世界中を魅了した"オーシャンズ"シリーズの第3弾です。

今回は、オーシャンズと敵対するラスベガスのホテル王を"アルパチーノ"が演じることもあり、前作、前々作よりもさらに期待して観にいってきました。

"オーシャンズ"シリーズは天才的な頭脳犯や詐欺師、スゴ腕のハッカーや軽業師と、その道のプロたちが集まった史上最強の犯罪チームが繰り広げる犯罪劇で、興味深いのはストーリーはもちろんのことながら、豪華俳優達のファッションです。


さて、今回の『オーシャンズ13』の服装を考察してみますと、

全体を通して見れば、前作同様、イタリア調をベースとした服装が主だったように感じました。

イタリアならではの、明るい色調であるにも関わらず、安っぽくならないギリギリの色味は日本人には真似できない感性だと思います。

また、深い風合いの色味に加え、光沢のある柔らかい生地を使用しているのもこの映画の特徴です。


しかし細部に目を向けると"オーシャンズ12"の時と違うなと思える部分も多々見受けられました。

例えば、映画の冒頭シーンに出てくるスーツにはチェンジポケットセンターベントの組み合わせですし、厚めの肩パッドに肩幅をやや狭くして、コンケーブショルダーにしたスーツを着用しているシーンもありました。

また、鎌深もかなり浅く、"オーシャンズ12"に比べ全体的にタイトなシルエットになったと思います。


イタリア調の素材や色味を使った英国調のシルエットといったニュアンスでしょうか・・・


ここ何年かで感じるのが本当にスタイルを分けることが難しくなったということです。
一昔前までは(一例ですが)、

ブリディッシュスタイル

2つボタンか間隔の狭い3つボタンで、ナチュラルショルダー。胸や背にはドレープがあり、ウエストは絞り気味etc...


イタリア(コンチネンタル)

幅広い肩幅のスクウェアショルダー、浅いサイドベンツにカフス付きの袖などを特徴とする着丈の短いタイト・フィットetc...


トラッド(アイビー)

ドロップショルダー、胴しぼりのないボクシーなシルエットで、水平に付けられた角形のフラップ・ポケット、それにフック・ベントの段返りetc...


といった分類分けが容易でしたが、最近はそれらが様々な形で組み合わされており、もはやそういったスタイルの分類はいい加減意味をなさなくなってきているように感じます。


伝統に従い、伝統を敬いながらも常に新しい感覚を取り入れる

ということが本当の意味でのクラシック(王道)になるということなのだと感じます。


オーシャンズ13』の服装で特に気になった点は2点ありました。

■ブルームを演じるカールライナーが、夜は気温の下がるベガスとはいえ、初夏に"ツィード"のようなジャケットを着ていましたが暑くないんでしょうか。

確かに、ツィードは年季の入った男性を表現するのにピッタリのアイテムですが、周りの人が夏っぽい格好だったので少し違和感を感じました。


■もう1点は、オーシャンを演じるジョージクルーニーが、相変わらず、本当にすごくカッコよくタキシードを着こなしているのに比べて、バンクを演じるアルパチーノが襟の抜けたタキシード(後の襟が浮いた状態)を着ていたのが気になってしょうがありませんでした。

しかし、今、こうしてブログを書きながら思い起こすと、あえて体に合わないスーツを着用することで、バンクが"仕事と成功が人生のすべてで、他に何も目に入らない人物"ということを演出するためだったんだなと思います。


そういえば、バンクは他のシーンでもストライプのダークスーツにそのスーツと同じ幅のシャツを着ることで、かなりマヌケっぽい格好をしていた気がします。


だれでもカッコよくなる努力をするものだけど、あえてダサい男を努力して演じきれる俳優っていうのはすごいなと改めて感じます。


■最後に、カジノと服装について少し触れてみます。

オーシャンズシリーズはその舞台背景の多くがカジノですが、、劇場中、カジノのことを"Gaming(ゲーミング)"といっていました。

・これは、あくまでもアメリカでは"カジノはゲームである"という捉え方をしているからです。

その為、アメリカのカジノへ行くとハーフパンツにタンクトップ姿など、かなりラフな格好をしている人に多く出くわします。

また、同じネバダ州にあってもラスベガスとリノでは雰囲気が違ってきます。

ラスベガスはカジノ以外にも遊べる施設が多いのでテーマパークのようですが、リノやカリフォルニア州のサクラメント周辺のカジノは周りに何もないので『カジノだけが目的』の人が多くラスベガスとは違った独特の雰囲気を持っています。


・一方、イギリスではカジノのことを"Gambling(ギャンブリング)"といい、"カジノはギャンブル(賭博)である"という考え方をしています。

その為、イギリスではカジノに入場するためには受付で会員申し込みをし、会員になってから24時間経たないと入れてもらえません。

また、ジーンズや襟の無い上着でも入ることができないので、必然的にスラックスにジャケット姿の人が多いです。

そのせいもあって、店内はとても落ち着いたサロンのような雰囲気で、サービスもとても丁寧です。葉巻も置いてあり、ゲームを休憩してスコッチ片手に葉巻をくゆらしている人もいます。


映画は、それぞれの俳優がそのキャラクターに合った服装をし、その時代のトレンドや流行っていたものを取り入れているので、仕立て屋にとって大変勉強になります。

また興味深い映画があれば服装の観点からのレビューをしてみたいと思います。


浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】はカリフォルニアのThunder Valley Casinoの雰囲気が一番好きです。

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テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド

2007.08.24 | Comments(2) | Trackback(0) | 映画

【映画】『プラダを着た悪魔』 ~男性スーツとの違い~

映画館へ1人で観にいった時、チケット売場で『2名様でよろいしでしょうか?』と言われることに、なんとなく納得のいかないダイスケです、こんばんは。


というわけで、映画『プラダを着た悪魔』を観にいってきました。

アン・ハサウェイ主演のこの映画はタイトルでもわかる通りファッション業界のストーリーで、テーラーにとっても大変興味深い内容でした。


内容は、まるで新たなファッションショーの一環なんじゃないかと思うほど綺麗な女優が本当に沢山のブランドを着用していました。

タイトルのプラダはもちろんのこと、シャネル、D&G、エルメス、フェラガモ…etc。衣装デザインはパトリシア・フィールドという方でアメリカのドラマ『セックス&ザ・シティー』の衣装も手掛けた有名なスタイリストみたいです。


修行中テーラーの観点からの映画の感想は、男性物と女性物のデザインに対する捉えかたの違いが随分顕著に表れていたなということでした。

女性の洋服のデザインの多さ、斬新さに惹かれたのと同時に、改めて男性の洋服を仕立てる難しさを再認識しました。


女性の洋服はバストやヒップなど丸みを帯びた部分に対しダーツや生地の切り返し、プリーツなどを使い、しかもそれをデザインとして取り入れることで、デザインの幅も広がり複雑なラインを形作ることができます。


一方男性のスーツはできる限り縫い目を目立たないようにするのが理想です。

基本的に裁断と生地のドレープでゆるやかな曲線を描き、バストやヒップはアイロンだけを使用して生地を湾曲させ体にフィットするように仕立て、ダーツはなるべく少なく目立たないように工夫されています。


まれに鳩胸の男性場合であっても、オーダーのスーツではラペル(襟)の裏の部分に『あごぐせ』といわれるダーツを取って処理することもありますが、それでも女性の洋服のようにデサインとして見せることはなく、ラペルの裏にひっそりと刻んであります。


シンプルなデザインというのは、穿った見方をすれば、過去のデザインを繰り返すだけで、デザインの幅が狭い、退屈なシルエットと捉えられてしまうかもしれません。

例えば、今回の映画のワンシーンで、ファッションディレクターを演じていたスタントリー・トゥッチが着用していた極端に大きくしたラペルが印象の黒とグレーの大柄のグレンチェックの3ピーススーツ。

ワイドラペルは30'sアメリカのズートスーツや、70’sイタリアのベリードラペルのスーツにも見ることができますが、劇中のスーツはゴージラインを高くすることで、上のそれらとは違うモダンな雰囲気になっています。


このように男性のファッションは大きな変化がおこることはありませんが、ミリ単位で変化し流行を作っていっています。


最後に、誤解があってはいけないので

今回は男性のスーツを仕立てることを職業としている者の視点で書かせていただきました。もちろん、何でも出来るにこしたことはないのだけど、男性物が、女性物が仕立てられるから技術が上などということはありませんので、あしからず。


浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】はその人の立場、雰囲気に合い、着心地のよいスーツを作っていければいいなと考えています。

テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド

2006.12.05 | Comments(0) | Trackback(0) | 映画

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