一生物の靴を目指して
今年もあとわずかとなり、革靴の踵も随分と磨り減ってきたので靴底を張り替えようと考えているダイスケです、こんばんは。靴にもいい顔をした新年を迎えさせてあげたいと思います。
昨年、初めてオーダーメイドの革靴を仕立ててもらいました。大事な場面だけで履くつもりで仕立てた靴ですが、どうにも履き心地がよく頻繁に履いてしまいます。
デザインはブランドの靴に比べシンプルでクラシックな印象ではありますが、足にフィットした靴は履いていて疲れないので、どうしても履く頻度が高く、靴底が早くすり減ってしまいました。
人によって価値観の基準が違いますが、個人的には、スーツにしても靴にしてもブランドや値段よりも中敷を変えてあったり、傷にちゃんと補修してあったり、ブラシで磨いてあったりと愛着の感じられる品が一番上等に見える気がします。
革靴を一生物として履くためには手入れがかかせません。
『靴の手入れ』といえば、真っ先に靴を磨くことを思い浮かべますが、磨くことよりももっと大切なことが『型崩れを防ぐこと』だと考えています。もちろん身だしなみとして靴を磨く必要があります。
当たり前ですが、靴を履くとかすかなシワが出来ます。それを放っておくと、長い間に傷のようになり、最終的に亀裂が入ってしまいます。そうなると、もう修復不可能です。
そうなる前に、型崩れを防ぐ為の木型(シューキーパー)を使用します。
金属製やプラスティック製など様々な種類のものが市販されていますが、本格的なものは木製で、その中でも桜材が理想的とされています。
というのも、シューキーパーには形を整えるのと同時に、革が吸った汗を吸収する目的もあり、木製のものは吸湿性に優れているからです。しかし、シューキーパーを入れないことと比べれば、材質は何であれ入れておくことをお勧めします。
ここに1つエピソードがあります。
昔の文献なのですが、アメリカのエミリー・ポストという方が、イギリス紳士に比べてアメリカ紳士の遠く及ばない点を数々挙げ、中でも特に重要なこととして靴の扱い方を指摘しているそうです。
その方によると、
イギリス紳士は靴を脱ぐと、すぐにシューキーパーを入れますが、これに反し、アメリカ紳士はシューキーパーなど問題にせず、ただ磨くことだけが大切と思っている。この点でアメリカ紳士は落第だということです。
つまり靴を磨くのはいつでもかまわないが、靴の形を保つには、脱いだ靴にまだ体温の残っているあいだにシューキーパーを入れてこそ効果があるということで、イギリス紳士はそうゆう些細な点にも心をくばるから、どうしても一枚上だというのが彼女の意見だそうです。
浜松市のオーダースーツ【テーラー新屋】は『使い捨て』の時代に『本当に良い物を長く使う』事の素晴らしさを発信できたらいいなと考えています。
テーマ:男性ファッション全般 - ジャンル:ファッション・ブランド
2006.12.07 | Comments(2) | Trackback(0) | 靴
